(画像=SmallCap ONLINE編集部)

「株式投資には興味があるけど、最初からたくさんの資金を投じるのは怖い……」と感じている人もいるのではないでしょうか。そのような株式投資初心者におすすめなのが「10万円株(10万円以下で株式投資を行うこと)」です。

今回は、10万円以下で株式投資を行うメリット、10万円以下の少額投資で利益を出すための注意点、10万円株を選び出す手順、10万円以下の少額投資の注意点、ミニ株を利用する場合の注意点などについて解説します。

目次

  1. 1.10万円以下で株式投資を行うメリット
    1. 1-1.リスクが少ない
    2. 1-2.株式投資初心者が、投資を学ぶのにぴったり
    3. 1-3.銘柄によっては十分なリターンが得られる
  2. 2.少額投資で利益を出すための注意点
    1. 2-1.手数料を確認する
    2. 2-2.「利益」ではなく「利回り」を確認する
    3. 2-3.株主優待なども検討して長期保有を目指す
  3. 3.10万円株を選び出す手順
  4. 4.10万円以下の少額投資の注意点
  5. 5.ミニ株を利用する場合の注意点
    1. 5-1.ミニ株とは?
    2. 5-2.ミニ株利用の際の注意点
  6. 6.10万円株でも利益を期待できる!

1.10万円以下で株式投資を行うメリット

10万円以下で株式投資を行うメリットにはどのようなことが挙げられるでしょうか。

1-1.リスクが少ない

まずは、少額であることからリスクが少ないということが挙げられます。

株式投資は、元本割れのリスクがある投資方法です。多額の資金を株式に投じた場合、首尾よく株価が上昇すればたくさんの利益を得ることができますが、思惑に反して株価が下落してしまった場合、大きな損失をこうむることになります。

その点、10万円で株式投資を行っていれば最大でも損失は10万円です。相当経営が傾いている銘柄を選ばない限り、株価がゼロになる可能性は低いので、10万円まるまる損してしまう確率は低いでしょう。

はじめから損をしたときのことを考えるのは、ややネガティブに感じるかもしれませんが、投資において、最大リスクを把握しておくことは重要なことです。

1-2.株式投資初心者が、投資を学ぶのにぴったり

次に、株式投資初心者が投資を学ぶのに適していることが挙げられます。

上記のように、株式投資は元本割れのリスクがあるため、いま手元にまとまった資金があるとしても、株式投資初心者に一気に資金を投じることはおすすめできません。

一方で書籍やネットの記事で基本的なことを学んだり、デモ口座でデモトレードをしていても、まずは少額から始めて経験を積み、だんだんと株式投資に慣れていくことが重要です。

10万円で行う株式投資は、リスクを抑えながら経験を積むことができるので、投資を学ぶのにぴったりと言えるでしょう。

1-3.銘柄によっては十分なリターンが得られる

さらに、銘柄の選び方によっては、配当や株主優待で十分なリターンが得られることが挙げられます。

もしかしたら「投資元本10万円では大した利益を上げられないのでは?」と感じている人もいるかもしれません。

たしかに、相当な値上がり益を確保しない限り、10万円で行う株式投資で大きな利益を上げることは難しいでしょう。しかし、元本が限られている以上は「利益」も重要ですが、より「利回り」にこだわりたいところです。上手に銘柄を選べば、高い利回りを得ることは十分に可能です。

2.少額投資で利益を出すための注意点

ここからは、10万円以下の少額投資で利益を出すための注意点について確認していきます。

2-1.手数料を確認する

足元では手数料無料化の流れも生まれつつありますが、株式投資には基本的に売買手数料がかかります。手数料は運用パフォーマンスを確実に蝕む要因なので、できる限り低く抑えたいものです。

また、同じ銘柄を購入するとしても、証券会社によって手数料が異なります。極端に言えば、同じAという株式を10万円購入するとしても、B証券では1,000円以上の売買手数料がかかるのに対してC証券では100円以下で済む、といったことが起こりえます。

一般的に、営業マンが介在する対面型の証券会社では手数料が高いことが多く、ネット証券は相対的に手数料が安いと言えます。

証券会社の評価は売買手数料の安さだけで決定できるものではないので、一概に「売買手数料が高い証券会社は利用すべきではない」と言い切れませんが、10万円以下の少額投資では、できる限り手数料が安い証券会社で売買したほうが運用パフォーマンスは上がるでしょう。

2-2.「利益」ではなく「利回り」を確認する

10万円以下の少額投資を行う際は、手元に入る「利益」ではなく「利回り」を重視したいものです。

例えば、Aという株式を10万円購入して(*)、1年間で4,000円の配当金を得たとします。また、1年後のAの評価額が10万6,000円まで値上がりしており、このときに売却したとします。
*株式の場合は原則、10万円分購入するといった金額指定はできませんが、例えとして10万円で購入できたとします

この場合、配当の利益が4,000円、値上がりの利益が6,000円ですので、手数料を考慮しない税引前利益で考えると、元本10万円に対して1万円の利益を得たことになります。これは年間の利回りにすると10%です。

「1万円」という利益の絶対値だけを見ると、大したことはないと思う人が多いかもしれませんが、「利回り10%」といえば、資産運用の世界ではそれなりの好成績です。

もちろん、運用の結果である「利益(もしくは損失)」を確認することは重要ですが、利益の絶対値だけにとらわれずに、「投資元本に対して、どれくらいの利回りを生み出せたのか」にも注目してみてください。

2-3.株主優待なども検討して長期保有を目指す

10万円以下の少額投資で利益を出すためには、株主優待なども吟味して長期保有を目指すようにしましょう。

株主優待とは、企業が自社の株を購入してくれた株主に向けて、自社商品やサービスなどの「優待品」を贈る制度です。すべての企業が株主優待制度を採用しているわけではありませんが、配当とは別にもらえるものですので、株主にとってはうれしい制度です。

「株主優待なども吟味して長期保有を目指す」ということには2つの意味があります。

短期の売買を繰り返すと、その分、売買手数料がかさんでしまいます。毎回、手数料以上の売買益を得ることができれば良いですが、株式投資初心者ではなかなか難しいでしょう。また、原則として売買手数料率は、売買する金額が大きくなればなるほど割安になっていきます。

つまり、少額投資での売買手数料は相対的に割高になってしまうため、一般的には、少額での売買は不利と言われています。この「短期の売買を繰り返すと、その分、売買手数料がかさんでしまうこと」「少額での売買手数料は相対的に割高になってしまうこと」といった手数料に関する理由が1点目です。

2点目としては、株主優待制度を採用している企業のなかには、株式の保有期間が長くなると、株主優待が優遇されるケースがあることが挙げられます。例えば、「自社店舗で使える商品券を株主優待として贈呈している企業が、○年以上株式を保有してくれている株主には、通常の贈呈品に加えて、〜〜円相当を追加で贈呈する」などが挙げられます。

なお、投資金額に対する株主優待の割合のことを「優待利回り」と呼びます。優待利回りは、「株主優待の価値(金額換算)÷投資金額×100」で求められます。株式の保有期間が長くなると、株主優待が優遇されるケースは、その分だけ優待利回りが上昇します。

このような株主優待制度を採用している銘柄を長期保有することも、1つのアイディアです。

3.10万円株を選び出す手順

ここからは、10万円株を選び出す手順についてステップごとに解説します。

ステップ1)証券会社のスクリーナーを使って10万円以下で買える銘柄を抽出
まずは、証券会社などのスクリーナー(銘柄をスクリーニングするツール)を使って10万円以下で買える銘柄を抽出しましょう。この時点では多くの銘柄がヒットしてしまうため、以下のステップ2やステップ3で絞り込んでいきます。

ステップ2)配当利回りの高い銘柄に絞り込む
次に、配当利回りの高い銘柄に絞り込みましょう。配当利回りとは、株価に対する年間配当金の割合を示す指標で、1株当たりの年間配当金を現在の株価で割って求められます。

配当利回りは、業種や銘柄によっても大きく異なります。一般的に、新興企業などは資金を成長投資に回すことが多く、配当利回りは低い、もしくは配当がないケースも少なくありません。反対に、ビジネスモデルが成熟している企業は配当利回りが高い傾向にあります。

なお、日経平均株価の平均配当利回り(前期基準)は1.67%、東証1部全銘柄の平均配当利回り(前期基準)は1.70%です(いずれも2021年6月現在)。これらの数字も1つの参考にしてみてください。

ステップ3)減配リスクの低い銘柄を選ぶ
そして、減配リスクの低い銘柄を選ぶ作業を行います。配当利回りが高いと、投資妙味があると思いがちですが、配当利回りは一概に高ければ高いほど良いというわけではありません。

減配とは、前期よりも配当金額が減少することです。これまでずっと配当を行ってきた銘柄だとしても、今後も配当を行うかどうかの確証はありません。つまり、過去実績から計算した配当利回りランキングであっても、今期予想から計算した配当利回りランキングであっても、その利回りが約束されているわけではありません。

「高い配当利回りを理由に購入したのに、減配されてしまい、思っていた配当が得られなかった」ということを避けるためには、減配リスクの低い銘柄を選ぶ必要があります。配当が増えるか減るかは、株価が上がるか下がるかと同様に、確実に見きわめる方法はありませんが、以下のような条件を満たす銘柄は減配リスクが低いと言えるでしょう。

・時価総額が大きい
・財務内容が良好である
・収益基盤が堅固で長期安定している
・自己資本比率が高い
・景気や海外市場の影響を受けにくい業種である

もちろん、すべてを満たす必要はなく、上記のうち1~2個が当てはまれば十分でしょう。

また、異常に高い配当利回りになっている銘柄は、前期に特別配当(ある決算期において、通常行われる配当とは別に「特別」という名目で増配されるもの)が行われ、その配当金額をもとに計算されている可能性があります。

何%以上だと異常なのかを明言するのは難しいですが、昨今の低金利環境を鑑みると、少なくとも2桁の配当利回りになっている銘柄は、そのような疑いの目で見て、詳細を調べたほうが良いでしょう。

4.10万円以下の少額投資の注意点

ここからは、10万円以下の少額投資の注意点について解説していきます。注意点として挙げられることは、「分散投資より集中投資が有効である」ということです。

分散投資は、投資対象や投資時期を多様化させることで、資産運用に伴う価格変動リスクを低減させながら、好リターンを目指すために有効な方法です。資産運用においては一般的に、集中投資より分散投資が推奨されています。

しかし、分散投資の効果が最大限発揮されるのは、投資元本がそれなりに大きいときです。10万円以下の少額投資では、投資元本が小さすぎて、リスク分散のメリットをあまり得ることができません。また、例えば10銘柄に分散すると10回分の手数料がかかることになり、その分、運用パフォーマンスを蝕んでしまいます。

以上の理由から、10万円以下の少額投資に関しては、分散投資より集中投資が有効であると言えます。ただし、株式投資初心者の場合は、投資経験を積むためと割り切って分散することも1つのアイディアではあります。その場合は、次に説明する「ミニ株」を利用しても良いでしょう。

5.ミニ株を利用する場合の注意点

ここからは、ミニ株を利用する場合の注意点について解説します。

5-1.ミニ株とは?

ミニ株とは、通常の株式取引よりも少ない資金で株式を購入できる取引方法の1つです。通常の株式取引では、銘柄ごとに決められている1単元の株数の整数倍でしか購入することができません。原則として、1単元は100株です。

しかし、ミニ株であれば1単元の10分の1単位での株式売買が可能になります。例えば、1単元(100株)が20万円の銘柄であっても、10株(2万円)から購入できるので、10万円の投資元本では通常購入できない銘柄を購入できるようになります。

5-2.ミニ株利用の際の注意点

このように便利なミニ株ですが、注意点もあります。主な注意点を列挙します。

・売買できる証券会社が限定される
・手数料の比率が高くなる場合がある
・購入できる銘柄が限られる場合がある
・リアルタイムで売買できない場合がある
・基本的に議決権が行使できない
・基本的に株主優待はもらえない

このように、通常の株式投資と比べて、デメリットや制約が多くなっています。ただし、前述のように、10万円の投資元本では本来購入できなかったはずの銘柄を購入できるようになるのが、ミニ株の最大の魅力です。株式投資初心者の場合は、投資経験を積むためと割り切って、ミニ株でさまざまな銘柄に分散投資することも1つのアイディアです。

6.10万円株でも利益を期待できる!

ここまで、10万円で株式投資を行うメリット、10万円以下の少額投資で利益を出すための注意点、10万円株を選び出す手順、10万円以下の少額投資の注意点、ミニ株を利用する場合の注意点などについて解説してきました。

10万円以下でも高利回りを狙える銘柄もあり、少額投資で利益を得ることは十分可能です。あなたも10万円株で株式投資を始めてみてはいかがでしょうか。

文・菅野陽平