(画像=SmallCap ONLINE編集部)

成長が見込める企業に投資し、株価の上昇を享受する。成長株への投資は、株式投資の王道であり、醍醐味の1つです。今回は、成長株の選び方のポイントや注目の成長株3選とともに、成長株投資の注意点などについて解説します。

目次

  1. 1. 成長株銘柄の選び方のコツ
    1. 1-1.「オーナー企業」を選ぶ
    2. 1-2.上場10年未満で時価総額300億円未満である
    3. 1-3.ビジネスモデルや企業のストーリーに独自性がある
    4. 1-4.増収増益を継続している
  2. 2. 注目の成長株3選
  3. 3. 成長株投資の注意点
    1. 3-1. 成長見込みが外れれば損失が発生するリスクがある
    2. 3-2. 一般的な株式投資の基本を守る
  4. 4. 株式投資中級者になったらお宝銘柄を探してみよう

1. 成長株銘柄の選び方のコツ

成長株とは、売上や利益などの業績の成長率が高く、今後も成長が見込める株式のことでグロース株とも呼ばれています。成長株には、最先端の技術をもつ企業や、流行の業種の企業が多いのが特徴です。

成長株をよいタイミングで購入できれば大きな利益が期待できます。そのような成長株はどのように選べばよいのでしょうか。まずは、成長株を選ぶ4つのコツについて解説します。

1-1.「オーナー企業」を選ぶ

成長株を選ぶ1つのヒントが、オーナー企業であるかどうかです。一般的にオーナー企業とは、経営者(もしくはその親族やオーナー一族が所有する資産管理会社など)が主要な大株主となる企業を指します。とくに、成長株には新興企業が多く、創業者が筆頭株主として経営を行っているケースが目立ちます。

もちろん、オーナー企業だからといってすべての銘柄が有望というわけではありませんが、一般的には株価が上昇しやすいといわれています。オーナー企業の株価が上昇しやすいとされている理由は、経営者自身が株主のため、株主目線で、株主利益を第一とした経営を行う可能性が高まるからです。

また、オーナー経営者は経営トップの在任期間が長期にわたることが多く、数年で入れ替わるサラリーマン経営者と異なり、より長期的な視野で経営を行うことが期待されます。さらに、持株比率によっても異なりますが、オーナー経営者が最終的な意思決定をすることも少なくありません。新規事業の取り組みや不採算事業からの撤退などの経営判断が早まり、外部環境の変化に柔軟に対応することができるのです。

一方で、オーナー経営者の経営能力が求められる水準に達していない場合は、上記のような特徴がマイナスに作用してしまう可能性もあるでしょう。それを避けるためには、オーナー経営者についてよく調べることが重要です。

個人投資家が機関投資家のように経営者と面談することは難しいですが、決算発表や株主総会をはじめ、インタビュー記事や各種SNSへの投稿内容などで一定の判断をすることは可能です。本を出版していたり、ブログを開設している場合は、そこから得られる情報を参考にしてみることも有効でしょう。

1-2.上場10年未満で時価総額300億円未満である

前述したように、成長株は新興企業である場合が多く、目安として「上場10年未満」でスクリーニングしてみることも1つのアイディアです。もちろん、社歴が長い企業がイノベーションを起こして強い成長トレンドに入る可能性もありますが、ベンチャーと呼ばれる新興企業が成長株の候補となることが一般的です。

また「時価総額300億円未満」でスクリーニングしてみるのもよいでしょう。時価総額300億円未満というと、一般的には中小型株の分類となります。時価総額が低い中小型株は、時価総額が高い大型株に比べて、1つのイノベーションやサービス成長が業績に与えるインパクトが大きくなりがちです。そのため、株価が短期間で大きく上昇する可能性が高いといえます。

たとえば、トヨタ自動車<7203>の時価総額は約32兆円と、日本最大です。トヨタ自動車は日本を代表する優良企業ですが、その時価総額がこれから短期間で10倍になることと、時価総額300億円未満の中小型株が短期間で10倍になることを比べると、後者のほうが確率は高いはずです。

もちろん、時価総額が低い中小型株の銘柄に、期待できるイノベーションやサービス成長があることが大前提です。

1-3.ビジネスモデルや企業のストーリーに独自性がある

ビジネスモデルや企業のストーリーに独自性があることも成長株を選ぶポイントです。なにをもって“独自性がある”と判断するかは人によって異なりますが、今回は1つの事例を紹介します。

バイオテクノロジー企業のユーグレナ<2931>を創業した出雲充氏は、大学時代にアジア最貧国の1つであったバングラデシュを訪問した際に、栄養失調で苦しむ子どもたちを目の当たりにし、栄養豊富な食材の存在を求めて生物学を学んだそうです。

そして、栄養豊富な藻類であるユーグレナの研究に携わり、ユーグレナの食品化や大規模培養プラントの建設、それによる二酸化炭素固定およびバイオ燃料等の製造を通して、少しでも問題解決の一助を担いたいとユーグレナを設立しました。

出雲氏は『僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。』という書籍も出版しています。誰にでもわかりやすく、応援したくなるストーリーではないでしょうか。

ユーグレナの株価は、IPO直後にテンバガー(株価が10倍になること)化したインパクトもあり、2021年6月執筆時点で最高値は更新できていないものの、足下では上場してから5倍以上となっています。

1-4.増収増益を継続している

増収増益を継続していることも成長株を選ぶポイントの1つです。基本的に株価は、業績の拡大に比例して上昇していく傾向がありますので、当然といえば当然のことかもしれません。

気をつけたいポイントとしては、成長株の多くは利益が安定していないということです。

成長株は、「ビジネスモデルが確立していない」「新しい事業に参入する」「稼いだ資金をプールせずに成長投資に回し続ける」などのケースもあります。そのため、一時的に減益になってしまったり、赤字になってしまったりする可能性もあるでしょう。

より重要なことは、「増収が続いているか(売上が伸び続けているか)」ということです。

売上が伸びていれば何でも良いというわけではありませんが、たとえば「○年連続で増収増益している企業」という条件でスクリーニングをかけてしまうと、「明確な成長トレンドに入っているのに、なにかの理由で一時的に減益になった企業」は弾かれてしまいます。

そのため業績を見るときは、一時的な利益の落ち込みは許容して中期的なトレンドを確認することも重要です。

2. 注目の成長株3選

ここからは、上記の選び方を加味しつつ、注目の3つの成長株を紹介します。

・ギガプライズ<3830>

1997年2月に設立された、マンション向けインターネット接続サービスを展開している企業です。上場したのは2006年12月です(上場市場は名古屋証券取引所セントレックス市場)。

2017年3月期~2021年3月期の業績を見ると、売上は毎年順調に伸びています。経常利益や当期純利益は2020年3月期に一時的に落ち込んだものの、2021年3月期には2期前を大きく上回る数字で着地しました。

コロナ禍の影響もあるため確定的なことはいえませんが、以前の成長トレンド以上の利益を出してきたことは好印象です。また時価総額が約220億円(2021年6月執筆時点)と中小型株であることもプラス材料といえます。

・アンビスホールディングス<7071>

2016年10月に設立された(事業子会社である株式会社アンビスは2013年9月に設立)、住宅型有料老人ホーム「医心館」施設内の訪問介護サービスなどを手がける企業です。ジャスダック市場に上場したのは2019年10月です。

高齢化が進む社会において訪問介護サービスの市場規模は大きくなることが予想されます。時代のトレンドに乗っている事業領域をもつ銘柄といえるでしょう。

時価総額は2021年6月執筆時点で約1,508億円と大きくなっており、業績を見るとそれを裏付ける売上と利益の伸びが確認できます。中長期目標として売上450億円(2023年度目標は244億円、2020年9月期は91億円)、営業利益100億円(2023年度目標は51億円、2020年9月期は18億円)と野心的な目標を掲げていることも好印象です。

・ベネフィットジャパン<3934>

1996年6月に設立されたベネフィットジャパンは、MVNO(仮想移動体通信事業者)として一般顧客に向けた総合的な通信サービスを提供している企業です。2016年3月に東証マザーズに上場し、その後2018年3月に東証1部に市場変更しました。

2017~2021年の業績を見ると、売上や営業利益、経常利益、当期純利益すべてきれいな右肩上がりを描いています。

時価総額が約120億円(2021年6月執筆時点)と中小型株であることもプラス材料です。大株主一覧を見ると、代表取締役の佐久間寛氏が筆頭株主となっています。また、第2位の有限会社サクマジャパンは、佐久間氏の資産管理会社です。このように、オーナー企業という点もプラス材料といえるでしょう。2021年5月に発表された中期経営計画を見ると以下の内容が記載されています。

「今後ますます社会からのニーズ拡大が予測されるコミュニケーションロボット分野において、最高の顧客体験価値を創出するロボットプラットフォーマーを目指します」(出典:ベネフィットジャパン中期経営計画

また、ロボット事業の売上を2024年3月期までに5倍以上伸ばすとも記載されています。このような時流にマッチングした中期経営計画を出していることも好印象です。

3. 成長株投資の注意点

最後に、成長株投資の注意点を解説していきます。

3-1. 成長見込みが外れれば損失が発生するリスクがある

当然ながら、成長見込みが外れて株価が下落すれば損失が発生します。未来は誰にもわかりませんので、前述の「成長株の選び方のポイント」をすべて満たしていたとしても、必ず株価が上昇したり、株価が上昇するタイミングを自分で決められるわけではありません。

新興企業のような成長株銘柄は、資金を成長投資に回すことも多く、業績上は減益であったり赤字になったりすることもあります。仮に自分が見る目が正しかったとしても、他の投資家にその銘柄のポテンシャルを認識してもらえないこともあるのです。その結果、いつまで経っても株価が上がらないということも想定されます。

つまり、自分の見る目を過信し過ぎないことや、思考停止に陥らないことも重要です。とくに、少数の銘柄へ大きな資金を投じているときは、自分の判断を信じ続けたい気持ちが邪魔をして正しい判断ができないリスクがあります。経営状況や外部環境は常に変化していくため、過去の自分が自信満々で投資した銘柄であっても、今の状況はフラットに評価するようにしましょう。

3-2. 一般的な株式投資の基本を守る

成長株投資をする際でも、一般的な株式投資の基本を守ることが重要です。具体的には、次のようなことが挙げられます。

・分散購入してリスクを抑える
・少額からはじめて経験を積む
・複数銘柄を長期保有する

とくに、新興企業のような成長株は株価のボラティリティ(変動幅)が大きく、当たり外れが大きい分野でもあります。まずは少額からはじめて経験を積んでいき、複数の銘柄に分散投資を行い、長期視野で投資をすることが重要です。

また成長株投資を行う際は、ベンチャーキャピタルの考え方を参考にするとよいでしょう。ベンチャーキャピタルとは、ベンチャー企業やスタートアップ企業など、高い成長が予想される非上場株式に対して出資を行う投資会社のことを指します。

一般的にベンチャーキャピタルは、限られた少数の企業に投資するのではなく、たくさんの企業に投資して、そのうちのいくつかの企業が大きく伸びれば良いという考え方です。

ベンチャーキャピタルとは投資対象こそ異なりますが、たくさんの企業に分散して、そのうちのいくつかの企業の株価が大きく上昇することで、うまくいかなかった他の企業への投資分をカバーし、投資全体を成功に導くという考え方は参考になるでしょう。

4. 株式投資中級者になったらお宝銘柄を探してみよう

ここまで、成長株銘柄の選び方のコツや成長株投資の注意点とともに、注目の成長株3選を解説してきました。成長株投資は、大きな値上がりを期待できることが魅力的な投資手法です。株式投資中級者になったら、これから大きく上昇しそうなお宝銘柄を探してみてはいかがでしょうか。

文・菅野陽平